10."チキュウの運命"

「キャプテン。どうかなされましたか?」

"チキュウ"を眺めていたジミーにクルーが話し掛ける。


「あの"チキュウ"には"ジン類"の歴史が刻まれている。 しかし、あの紫色の"チキュウ"を見るとなんだか寂しい気持ちになる。 初めて旅立った宇宙飛行士は『"チキュウ"は青かった』と言ったそうだが、 今は想像が出きない。 青と紫。色は近似でも、その意味するものは大きく、 あんな"チキュウ"にした私達には随分と責任があるように感じる」

ジミーが話をしているとクルーも話し出した。

「キャプテン。何を言っているんですか(笑)、 そんな真面目なキャプテン初めて見ましたよ。 さては、学生の時に勉強をサボっていましたね(笑) 教科書にも『宇宙には惑星がたくさんある』と 書かれていたじゃないですか。"チキュウ"はその 毎日増え続けている惑星の中の1つでしかないんですよ。 他の惑星を探せば用がすむじゃないですか。 まず"タイヨウ"のような恒星を見つけ、 それから"チキュウ"と同じくらいの 惑星を発見すれば、同じような環境の惑星が見つかる可能性が高いんですよ。 現在はこんなことをしなくても 環境を人工的に作り変えることも可能なんですし。さすがに考えすぎだと思いますよ」

ジミーは笑顔で返事をしたが、何か満足できないような 心境にかられていた…


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