物体検査(精液・膣液) 法医学

物体検査(精液・膣液)と法医学

犯罪、特に強姦を証明する際には被害者に残された精液の存在が重要となる。

精液

精液は90%の精漿と10%の精液から構成されている。

精漿の証明

精液の90%を占める精漿の証明の一つとして 紫外線照射がある。 照射することによって、青白色・黄緑色の蛍光を放つ。 しかし、蛍光剤入りの洗剤なども同様に発色するので注意が必要である。 また、スペルミンやコリン結晶を観察する検査ではFlorence法が最も鋭敏である。 また、精液に含まれる物質を検出する方法や、免疫学的方法もある。

精子の証明

精液に含まれる精子は、生体内膣内で、約2〜3日、 死体では約2〜3週間でも検出された例がある。 精子を確認する一つとして顕微鏡で確認する方法がある。 この際の染色法としてはBaecchi法やCorin-Stockis法などがあり、 他にも精液証明の本試験としては、乳酸デヒロドゲナーゼ(LDH)試験や、免疫学的方法が用いられている。

膣液の証明

膣液の検査は細胞検査や、免疫学的方法によって検査することが可能である。

精液・膣液からの血液型・個人識別

精漿の血液型は解離試験によってABO式血液型が判定することが 出来、Lewis型、HLA型の一部の判定も可能である。 また、膣液からもABO式血液型が判定可能なので、 精液と膣液の混合資料からの判定の際にはよく検討する必要がある。 また、血痕と同様にすべてのDNA型判定をすることが出来、個人識別も可能となっている。


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