人気が出るゲームソフトの秘密−3

筆者:長官


レガイアデュエルサーガ

ストーリーはやはりRPGが持っている独特の 「ドキドキ感と期待」を大切にして制作して欲しい。 ストーリーはドラゴンクエストのように魔王を倒すという シンプルなストーリーの人気も根強い。 これは、これからも変わることはないだろう。 しかし、最近はユーザーの感動を誘う 『運命』を題材にしている作品も多数ある。 一見、難しそうな題材だが、受け入れられやすい。 それはハードの性能とも深く関係している。 ファミコン時代では感動のシーンがうまく演出できない(出し切れない)のだ。 例えば、仲間との再会(特に主人公とヒロイン)の 再会にしてもドットのファミコンで二人のキャラクターが 隣のマスに立つよりはムービーで立体的に演出したほうが雰囲気が出せる。 そのため、最近になってこの題材が多くなってきたといえる。 また、これと関連したものとして『ファイナルファンタジー10』 のように親を知らずに育った主人公が、父が 辿った冒険の軌跡を感じながら旅をする という要素を盛り込んでいくとさらに深みが増すかもしれない。 次に、ストーリーを設定したら所々で 盛り上げるシーンの演出にも気を配る必要がある。 例えば、窮地に立たされた状況の時に「仲間が助けに来る」 などといったイベントもストーリーを盛り上げるために必要な要素の一つとなる。 次に舞台(世界観)の設定も決める必要がある。 舞台としては「古代・中世・現代・未来・海・陸・空・宇宙」 など様々なものが考えられる。 一般に取り入れられているのは城下町などが存在する中世ヨーロッパ のような雰囲気だろう。そうして、「古代遺跡などを探索 することになり、徐々に大きな事件に巻き込まれていく」 というパターンが多い。 また、グラフィックの急激な変化に伴い、宇宙や、 他の惑星への移動を舞台にした作品の演出も可能になってきている。 また、同様に時空を移動するといった設定も可能だろう。 オープニングは基本的に様々な方法が考えられるが、 田舎の村で何気ない日常生活から始まる方が評価は高くなるようだ。 これは心理的に我々が一種の"マンネリ化"した日常生活から抜け出したい と願う気持ちが関係しているのかもしれない。 これは一般にファンタジー系のRPGに人気が集まるというこ ととも関係しているのだろう。次に戦闘について触れみる。 戦闘に関しては第一に、敵との戦闘の"入り方"を検討する必要がある。 例えば「フィールドを歩いていてランダム式に登場する」のか、 または「フィールドに直接モンスターが存在している」のかなどである。 これについては戦闘システムと関係してくるが、 ハードの性能が良くなってきたために後者が多くなってくるかもしれない。 第二に、戦闘をターン制にするのか、またはアクション式に するのかを検討する必要がある。 戦闘形態はターン制の方が無難だと考えられるが、 アクション式も上手にシステムを考えれば、 それだけでゲームの人気につながる可能性がある。 しかし、戦闘システムをユーザーに評価されなければ ゲーム全体の評価が著しく低下するという可能性も考えられる。 また、戦闘で気を配らなければならないのは 敵の強さの設定だ。ザコ敵を倒すのに時間がかかってしまっては ユーザーは次第に飽き始めてしまう。 また、「逃げる(ESCAPE)」の成功確率にも気を配る必要がある。 最近のゲームの特徴としては成功する可能性が高い印象を受ける。 実際に、私自身もレベル上げよりストーリー重視のため、 レベル上げには時間を割くことは少ない。 しかし、レベル上げを好むユーザーも多数のために、 難易度の選択が出来たり、 隠しダンジョン(強ボス)などアルティマニア要素も取り入れるほうが良いだろう。 また、ファイナルファンタジー8のように、こちらの レベルに応じて敵のレベル(強さ)が変化するシステムを 取り入れても良いかもしれない。 戦闘においては仲間が多数の場合(全員が戦闘に参加できない場合)には、 戦闘中にキャラクターチェンジが出来るシステムにするほうがレベルの 偏りも無くなり、多種多様な戦闘が行える。 この際には前提としてキャラクターには「遠距離攻撃が強い」 「空中に対しての攻撃が強い」「回復能力に優れる」 などの特徴を持たせるべきだ。 また、ボス戦などでは数ターンや、一定ダメージごとに 相手の状態や、キャラクターとのやりとりなどをムービーを取り入れたほうが 楽しみも増える。これは、長期にわたる戦闘を飽きさせず に続けさせる効果もある。これは『レガイアデュエルサーガ』 に採用されている。 戦闘の際には通常攻撃・ 魔法攻撃以外の攻撃方法として 召喚獣を取り入れるほうが戦闘の面白さをさらに盛り上げられるだろう。 召喚獣の条件としては強いということが前提だ。 そのため、魔法よりも攻撃力を上回る必要がある。 よくゲームで見られるのは 「最初は(仲間になった時)は強いが、ゲームを進めていくうちに 使えなくなってしまう」というパターンだ。 これは召喚獣の攻撃力が変化しないために起こる。 つまり、自分のレベルなどに応じて召喚獣も一緒に強くなっていく というシステムを採用すべきだろう。 ゲームのある意味では中心的な存在でもあるダンジョン は、仕掛けなどは多少難しくしたとしても分かりやすい構造 にすべきだろう。 最近では小さな画面に自分が移動したマップが 追加されていくというシステム(スタートボタンなどで全マップ表示) が出来るソフトが多い。 これは自動マッピングの一種で、このシステムはこれからも続けていくべきだろう。 先ほど戦闘で会話が入る例を紹介したが、 これはダンジョンにおいても同様で、ある一定ごとに ダンジョン攻略に関するキャラクターの意見を聞けるようにすると、 実際に冒険に出ている高揚感を再認識させる効果があり、 ユーザーを飽きさせない効果がある。何度も述べるが、 最近のユーザーのほとんどは基本的にはそれほど難しいゲームを期待していない。 通常のクリアはそれほど難しくなく、その分、ストーリー、演出、 高いレベルのモンスターが集う隠しダンジョンなどに力を入れたほうが幅広い年齢層にも受け入れられやすい。 私は、ゲームは最後までプレイしてもらうということだけでも 一つの大きな価値だと感じる。 「難しい、敵が強い、操作性が悪い」などの理由からユーザーを飽きさせ、 途中で辞めてしまうようなゲームソフトは私からするとその 地点で既に"マニア"向けで、本当に良いRPGとはいえない。

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