ゲームの批評(レビュー)「スターオーシャン3」


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良作だが、問題点も…

点数:80点
タイトルからも分かるように今作品が 大人気シリーズであるスターオーシャンの3作目にあたる。 私は『スターオーシャンセカンドストーリー』 をプレイした瞬間から今作品を首を長くして待っていた ユーザーの一人だが、今作品をプレイした感想としては 全体的に見て満足のゆく作品だったといえるだろう。 しかし、重大な問題点もあった。 今作品のテレビの宣伝では、宇宙服を着て 歩いているという映像を流していたが、 これは、今作品を楽しみに待っている人にとって見れば それだけで期待感が高まるともいえるが、前作を知らない人にとっては 手が出しにくいと考えられる。 また、バグも重大なミスだ。 私自身は文章(会話)が表示されないなどの不具合を 体験したが(再起動で解決)、 機種によってはボス戦でフリーズなどの問題も多数あったといわれている。 よくゲームにはバグや不具合が見られるが、それらは 「特定ダンジョンのマップの端によると動けなくなる」 などといった極めてユーザーが体験する可能性が低かったり、 また、クリアには問題がないことがほとんどだ。 しかし、今作品の不具合は「ユーザーのほとんどが体験し、 クリアにも影響する」といったものであった。 これらはモニターなどを使ってすぐに発見できる問題であったので残念だ。 では、大きな問題点はこれくらいにして、次は全体的に見ていく。 まずサウンドについてだが、音楽は「かなりの良作」といえる。 MISIAの主題歌だけではなく、戦闘(特にボス戦)や、 イベントのシーンなどの音楽は特に素晴らしく、 感動のシーンなどを一層盛り上げてくれる。 RPGの醍醐味であるストーリーについては 前半は特に良い出来であった。 しかし、 後半はスタンダードRPGとは少し離れた方向へと進んでいく。 内容的には濃いものの、どちらかというと 「勉強させられている」という一種の強制的な印象も受けた。 後半の内容は面白い発想だが、作品的には前半の内容を通した方が良かったように感じた。 前半、後半の異なった大きな二つのテーマで構成したために、 全体のバランス感や、作品としての奥行き感が微妙になってしまった。 グラフィックは決してリアルを追求しているわけではないが (宇宙などのシーンを除く。ここではキャラクターなどの表情などを指す)、 万人受けするグラフィックの描き方だ。 グラフィックの中でも特に私が注目したのは戦闘のエフェクトだ。 特に魔法などのエフェクトが詳細に描きこまれていた。 次に、戦闘についてだが、戦闘のシステムは完璧といっても過言ではない。 まさに「前作の戦闘方式を生かしながら進化した」といえるだろう。 先ほど、ゲーム後半の内容は「スタンダードRPGから少し離れている」と 書いたが、これは「主人公、及び銀河系の世界はすべて ゲームの世界の出来事でしかなかった」という内容に対しての意見だ。 スターオーシャンシリーズは1〜3作品目までが全て 同じ歴史を共有しているので、セカンドストーリーの クロードやレナ達の活躍も全て「ゲームの中のゲーム世界」 であったということになる。この事実が明かされた今、 「作品は続くのか、それとも今作でこのシリーズは終わりなのだろうか?」 という楽しみが芽生えた。

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