1.重大な放送
「学校で話していたのをちょっと聞いたんだけど、 今日、世界政府が世界各地へ衛星通信を利用した重大なニュースを 放送するというのは本当なのかい?」 「全くニュースを見ていないのね。 メディアで毎日のように騒がれているじゃない。 ニュースでは今日の内容について様々な研究家がオリジナリティーのある 想像をしているけど、どの話にも共通しているのは 『"ジン類"史上でも革命的なこと』といわれているわ」 メディアには全く興味が無いジミーと、 彼の友人、ルーシーは学校から帰る途中でこのような話をしていた。 ジミーは国内でも 有数の有名校である大学の3年。スポーツは万能だが、 勉強はまったくといっていいほど 出来ない。この大学には入れたのも彼がラグビーにかけては 誰にも負けないという特技があるからだ。 それに対し、ルーシーはスポーツに関しては平均の下 だが、勉強に関しては大学では常にトップクラスである。 メディアにはまったく興味が無いジミーだが、 さすがに今回ばかりは少し気になるようだ。 「あの店に入っていこう」 学校の帰り際、ジミーはルーシーに話しかけた。 時計を見ると5:58分。 放送が始まるのが6時なので、二人は急いで 巨大テレビがある喫茶店に入っていった。 テーブルにつくと、ちょうどそのニュース が始まろうとしていた。 「ついに重大なニュースの内容が分かるわね」 ルーシーはジミーに話しかけたが、 彼は指をスクリーンの方に指をむけ、 「注目しろよ、もう始まるぞ」という合図をしていた。 |