9.宇宙へ
ジミーは操縦桿を握っていた。 "チキュウ"から旅立つ瞬間だ。 次第に宇宙船は加速し、ジミーは操縦桿を引いた。 「ギアを格納しろ」 ジミーはさらに指示を出す。 気がつくと窓の外には地下施設ではなく 宇宙を眺めることが出来る。 窓からは数え切れないほどの宇宙船が 確認できる。窓から"チキュウ"を確認すると 紫色をしていた。 「オートパイロット」 ジミーが指示を出すとオートパイロットに切り替えられた。 移住先はまだ決定していないため、座標入力は できない。そのため、オートパイロットを実行している際には 世界政府の『スペースシップワン』に続き、 各船が最適な間隔を取りながら飛行が行われる。 続いてジミーは船内放送をする。 「只今、シップは重力圏を離脱し、宇宙に出ました。 以後、こちらが連絡するまでシートベルトは外して構いません。 また、現在よりシップ内にてショッピングエリアなど全エリアが解放されます。 何か問題があれば連絡してください。以上」 船内放送を終えるとジミーは窓から少しずつ遠ざかってゆく"チキュウ" を眺めていた… |