晩期死体現象 法医学 晩期死体現象には腐敗・自家融解・ミイラ化・白骨化・動物による損壊などがある。 腐敗 腐敗は細菌によるもので、 生前から多くの細菌がおり、 特に消化管には多く生息している。 細菌の活動には適度な温度・湿度・通気が必要であるので、 これらの環境によって腐敗の進行時間は変化する。 腐敗によって腐敗網(樹枝状血管網)、skin slippage(皮膚が容易に裂けること)、 腐敗(水)泡、巨人様観などが起きる。 死体の腐敗は地上だけとは限らず、Casperの法則では 地上を1とすると、水中(1/2)、土中(1/8)であるという。 また、腐敗の特殊なものとして死ろうが挙げられる。 死ろうは通気性の悪い水中などに置かれた場合に 細菌の酵素によって脂肪が変化したものである。 死ろうはこのような環境で1〜2ヶ月程度で始まり、 完全に変化するには約1年程度必要であると考えられている。 自家融解 自家融解は腐敗と区別しにくいが、自家融解は体内の消化酵素による分解である。 ミイラ化 乾燥など様々な要因が重なったときにミイラ化が起こる。 白骨化 昆虫などによって軟組織が取り除かれ、早ければ数週間で白骨化することがある。 動物による損壊 動物による損壊では、ウジ、ハエ、カツオブシムシなどの昆虫や、 海岸・海中ではウニ、カニ、脊椎動物ではスナホリモドキ、 トリ、ネズミイヌ、ネコ、キツネなどによって損壊する。 特にウジからハエに至るまでの経過などによって死亡推定時刻 などの参考になることがあり、 近年、アメリカなどの一部の国で法医昆虫学が注目を浴びている。 |