検索エンジンで来られた方は「トップページ」から他の不思議もご覧下さい(CRC JAPAN)

恐竜を甦らせることは可能なのか!?

映画「ジュラシックパーク」のように恐竜を甦らせることは可能なのか!?
担当:長官

1.壮大なドリーム

現代に恐竜を甦らせる… ほとんどの人が雄大な恐竜たちが草原を駆け抜ける・ 大きな翼を広げ大空を飛ぶ… このような夢に憧れたことがあるのではないでしょうか。

2.恐竜を甦らせることを印象付けた映画
このような恐竜を甦らせるということを 題材とした映画がある。 例えば『ジュラシックパーク』(1993)である。 その後もロストワールドなど続編がある。
映画『ジュラシックパーク』のストーリー


鉱山で発掘された古代の琥珀の蚊から恐竜のDNAを抽出し、 バイオテクノロジーを駆使して恐竜を再生する研究が成功した。 コスタリカ沖の小島では、"ジュラシックパーク"と呼ばれる恐竜の テーマパークの建設が進められており、 甦った恐竜達が歩き回る史上最大のテーマパークとなるはずであった。 事前調査員として派遣された地質学者のグラント博士と、 古生物学者のサトラー博士は、パーク内を調査して回るが、 コンピューターのトラブルによって、 それまで完全に制御されていたはずの恐竜が突如として暴れ出し、 人間達に襲いかかるのだった。 園内で離ればなれになってしまった一行は、 次々襲い来る恐竜から逃れつつも、 パークのコンピューターシステムの回復を試みるのだが…

3.甦らせる方法・可能性・問題
恐竜を甦らせることは 科学力を駆使すれば可能である。 一番有力なのはPCR(ポリメラ−ゼ連鎖反応)という方法でDNAを増殖させる方法だ。 DNAというのは遺伝情報となる化学物質で、地球上のすべての生物が持っている。 しかし、DNA は非常に壊れやすい物質なので、何千万年、何億年という 時間が経っても恐竜の骨の中に保存されているということは極めて考えにくい。 先ほど挙げた『ジュラシックパーク』のように 昆虫がコハクの中に閉じ込められていて、さらにその昆虫の胃から 恐竜の血液を取りだせる可能性があるが、発見するのが非常に難しい。 恐竜の血液が昆虫の胃の中で分解されるのには数分しかかからないため、 たとえ昆虫が恐竜の血液を吸った直後に樹液に捉えられたとしても、 死ぬ前に"もがいている"間に恐竜の DNA は分解されてしまうことの方が多いのだ。 また、DNAは非常に長いので昆虫が吸った血液だけでは完全には作り出せない。 仮に昆虫が恐竜の血を吸ったコハクが見つかったなら、 他の生物のDNAを利用する必要がある。



4.具体的な方法(DNAを増加させる方法)
DNAを増殖させる方法は既に利用されており、 ポリラーゼ連鎖反応を用いたPCR法が主である。 これは、必要な試薬を加え、増幅装置にセットすれば 自動的に温度が変化し、DNAが増幅される。 科学力の発達によって夢物語がより一層現実的になったのだ。

5.総合的な結果
では、説明してきた事をを分かり易いようにまとめておく。 まず、現代の科学力だけで琥珀を利用することにより 恐竜を甦らせることは可能である! しかし、そのコハクの中に恐竜の血液を吸った昆虫(蚊など) が必要だ。 しかし、このコハクは見つけることは非常に困難である。また、 見つかったとしても完全に恐竜を甦らせることは不可能であり、 比較的近いといわれている 爬虫類など生物学的に恐竜に近いと思われる生物のDNAを 利用しなければならない。 その場合には、正式には恐竜ではなく、"キメラ"と呼ばれることなる。

6.現在は試みられているのか
正式にはまだ実際に恐竜を甦らせるプロジェクトは成立していない ということだが、1万年前のマンモスのDNAを用いて甦らすという プロジェクトは進行中とのこと。



7.甦らせることの意味…
発展し続ける科学力の中、恐竜を甦らせることは可能だ。 実際に、マンモスを甦らせるプロジェクトが成立してきたように、 何百年後、または何十年後、もしかすると何年後には 恐竜を甦らせようというプロジェクトが起きても不自然ではない。 しかし、個人的な意見としては、 ロマンだけで絶滅した恐竜を甦らせる意味というものも考えてしまう。 現在の地球の環境は、恐竜が生存していた環境とは全く違うだろう。 例えば気温・気圧が挙げられる。 調査を協力された 鈴木さんの情報提供の意見によると恐竜の生存していた時の気圧は 現在よりも確実に低かったという。 そのため、 現在の環境の中で恐竜を甦らしてしまうと、 恐竜は生存してゆくことが出来ない可能性があるといわれている。 当時より高い気圧により恐竜の大きい体は潰されてしまうというのだ。 専用の管理された環境の中では、生存させることが可能だが、 私の意見としては「起こさないで眠らせてほしい」というのが本音だ。 何かを甦らせるということは画期的であり、惹かれてしまうが、 人間の勝手な気持ちにより 科学力を駆使し、 強制的に現代に甦らせられた恐竜たちは果たして感謝するだろうか…
当サイトの関連ページもお楽しみください

ゲノムと生物学」 「骨が語る真実」 「恐竜絶滅の謎」 「恐竜は生きている!?


トップページへ戻る