個人識別 法医学

法医学の個人識別

事故・自殺・他殺…、あらゆる状況であっても個人識別を 行うことは非常に大切な最初のステップの一つである。

顔、服装、免許証などを用いて確認したり、指紋を用いて 確認することはよくテレビなどでも行われており、近年は銀行などの 指紋・静脈認証なども普及してきている。 しかし、津波・航空機事故など証拠が残っていなかったり 信頼性が低い場合などにはどうするのだろうか? ほとんどの人々がDNA検査と回答するだろう。

DNAは生物の体を構成する最も小さい単位で細胞が60兆個 集まって人の体を構成しているから驚きである。

しかし、DNAだけが個人識別に用いられる有力なたった一つの方法かと いえば法医学者はそうとは答えない。

例えば大きな津波などにより数万人の遺体が発生した場合には このDNA鑑定のみで全て判定できるか考える必要がある。 DNAを合成する試薬などは非常に高価であるし、それほどの 数を集めたり、バラバラになった骨格や頭蓋骨などを一つ一つ全て 調べるのは衛生環境や感染症などのリスクを考えても有用ではない。

では、これらの場合にはどうするのだろうか。

これらの場合には全身の骨格、頭蓋骨、歯の所見が一層大切になってくるのである。

そのため、最先端の分子生物的な法医学手法だけにとどまらず解剖学的な観察からDNAなどミクロの世界までその時の状況によって 幾つもの方法から最適な方法を考えて行うことが大切である。

これらの様々な世界を垣間見てみよう。

法医学と人体のミステリー」 では、犯罪現場に残された数々の証拠からのアプローチ方法や、法医学と人体との関係のミステリーをて読み物として全体の概要を理解することが出来るようになっている。

骨が語る真実」では、骨格から年齢推定・性別推定などが出来ることを簡単に理解することが出来る。

法歯学」では、法医学の中での法歯学(法医歯科学)の説明を行っています。


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