ゲーム批評(レビュー)「ファイナルファンタジー10」 [批評(レビュー)のページへ戻る)] ファイナルファンタジー10作目の今作品は ファイナルファンタジーとしてはプレイステーション2の最初の ソフトということで最初から期待感は大きかった。 グラフィックもプレイステーションと比べ飛躍的に 向上しており、特にムービーにおいてそれを実感する。 驚いたことはその"自然さ"だ。 顔を横に振ったときなどの髪や、アクセサリーの 動きにまったく不自然さを感じなかった。 さらに以前の作品では 顔の表情などはあまり再現されていなかったが、 それが今作品では行われている。 今作品では「水」がブリッツボールの大きな要素だが、 この再現についてもリアルが追求され尽くされている。 特にブリッツボールが始まるときの水の噴射のシーン(試合のコート) には驚愕した。 では次に、私の視点から今回のFF10の改善点を挙げたいと思う。 といっても今回の作品は改善点などほとんど見られない。 しかし、宣伝をもう少し工夫できたのではないかと感じた。 宣伝に使われたのはユウナがシーモアから逃れるために 飛び降りたシーンだったが、それを見た瞬間に インパクトを感じたものの、購入しようという気はあまり 起きなかった。ムービーを画面いっぱいに流し、 最後に「ファイナルファンタジー記念すべき10作目。 プレイステーション2でさらに進化」 などと更に積極的にアピールしても良いように感じた。 しかし、この宣伝も失敗のうちには入らない。 肝心のストーリーは幻想的・感動的なシーンが多いことに気づく。 特にルカの町で主人公ティーダがユウナに「はぐれたら口笛を吹けば オレすぐにとんでくからさ」というイベントがあるが、 このイベントは最後に大きな意味を持つ。 エンディングではティーダが消えて(主人公の存在は夢であったと知る)、 ユウナが海に向かって口笛を吹く。 これはこのルカの経験が大きな影響を及ぼしている。 そして、スタッフロールの後にはティーダは水中から 泳いで出てくるという意味深なラストを迎える。 このラストに対しては様々な意見が聞こえてきた。 「感動的なラストでよかった」「もう少しグッドエンディングの方が良いのではないか」 という意見だ。私の意見としては後者に当たる(笑) そして、ファイナルファンタジー10−2への期待が高まり、 様々なサイトで署名運動も行われた(私も署名した一人)。 決してあのエンディングが嫌いなわけではないのだが、 やはり"もやもやしたもの"を感じたのだ。 ストーリーと言えば音声も導入され、その緊迫した感じ などが直接伝わってきた。音声導入反対の意見も聞こえるが、 導入は「メリット>デメリット」といえるだろう。 このようにストーリーについては「綿密に練られており、かなり内容が濃い」 といえるだろう。そのため、私の知人の間では 画像と共に全てのセリフが収録されているメモリアルアルバム(2000円) を買う者も多数いた(私もその一人)。 また、FF10は音楽も一級品だ。 オープニングのピアノの音楽・テーマソング「素敵だね」 は、音楽としても注目を浴びた。 私は基本的にゲームソングをCDとして購入することは無いのだが、 このゲームに関しては購入してしまい、楽譜集までも購入してしまった。 また、音楽で注目すべき点は一部はクラシックではなく、 ロックに近い音楽が採用されていることだ。 RPG=クラシックという常識を打ち破り、音楽の幅が広いことに驚いた。 音楽(この場合はメロディなど)以外にも虫の鳴く声なども 取り入れられており、"リアルさ"を改めて感じる。 このようにFF10はあらゆる面から見て 10作目の節目としてふさわしい一級品のゲームと言えるだろう。 私が長年のゲームの経験(PS2以前のRPG) と以前運営していたゲーム情報サイトの経験を生かして 書いた「人気が出るゲームの秘密」のページに書いてあることが ほとんど全て実践されている。 追記.ファイナルファンタジー10のエンディングは インターナショナル版の付属DVDに話が続き、さらに 『ファイナルファンタジー10−2』にも続いている。 |