検索エンジンで来られた方は「トップページ」から他の不思議もご覧下さい(CRC JAPAN) 微生物 担当:長官 細菌、ウイルスなどの微生物と、日常生活、バイオハザードの脅威!! 序章 地球が形成されてから46億年の年月が経過し、 現在、地球上には様々な生物が生息している。 これらの中で最初に姿を現したのはバクテリア(細菌)の一種だ。 "彼ら"は実に35億年も地球上に姿を留めており、 我々にとって過酷な環境である深海や火山 内部などにも生育していることが分かっている。 つまり、 "彼ら"は究極の生命体なのかもしれない。 今回は、日常生活と細菌の関係、"彼ら"が我々に牙を 向いたときのバイオハザードなど微生物学の基本的な内容を含んでいる。 ページを読み終えた頃には、微生物学の専門書を読めるようになっており、 微生物に対しての意識が変化しているかもしれない… 第1章."彼ら"は肉眼で見ることが出来ない微生物 日常生活の中では細菌、ウイルスなどが混同して用いられている。 通常、このような言葉の問題はたいしたトラブルは招かないが、 微生物に関しては大きなトラブルを引き起こす。 そのため、最初にこれらの内容を紹介しよう。 微生物というのは基本的には肉眼で見ることが出来ない生物で、 その中で形などによって細菌、ウイルス、真菌、原虫などに分けられている。 これら微生物全てが私達にトラブルを引き起こすわけではない。 一部の微生物が病気を引き起こし、病原体と呼ばれている。 しかしながらこの病原体という境は人によって異なっている場合がある。 体が弱っている時などは容易に病気にかかってしまう。 特に健康な人にはかからない感染を日和見感染(ひよりみかんせん)という。 第2章.微生物による発病。それを決めるのは天秤のはかり 病気は体が正常に機能出来ないことであるが、その全てが微生物によるものではなく、 老化などによるものなどもある。 まず、ここで確認しなければ感染と発病は異なるということだ。 感染していても発病は起こさない場合があり、 これらはよく天秤のはかりに例えられる。 免疫力などの宿主の力が微生物の力に負けた場合に発病が起きるのだ。 第3章.細菌とウイルスの違い ファージ。その形状はまるで着陸宇宙船だ。 よく風邪が流行すると「細菌がよく飛んでいるな。 抗生物質をもらいに行こう。」という光景を目にすることがある。 ここではまず、細菌とウイルスの簡単な違いについて説明しておこう。 細菌は私達人間の構成単位である細胞と比較的似ている。 だが、より似ているのは植物細胞である。 細菌は動物細胞の細胞膜の 外側にさらに細胞壁という構造を有している。 これは当たり前のことで、地球上の生物は細菌から進化してきたのである。 それに対してウイルスは生物であるのか、そうでないのか と議論されることがある。 ウイルスも様々な形があるが、簡単なものとしてファージ を例に紹介しよう。上記のファージは、 タンパク質の中に遺伝情報を司っているDNAが入っただけという簡単な構造をしている。 ファージは大腸菌などの細菌にくっつき、 DNAを注入する。すると、細菌の体内でファージが作られて増殖し、 最終的には細菌を破って外に出てくる(他の方法もある)、 このようにウイルスは他の生物を利用して増殖してゆくのだ。 また、ウイルスの中にはRNAの核酸を持ち、DNAを合成する逆転写酵素 をもつエイズウイルスのようなレトロウイルスが存在し、 医療にも応用しようと研究が試みられている。 最初に少し触れたように 一般的な風邪はウイルスによるものである。 次の章では治療に用いられる抗生物質について紹介する。 第4章.細菌などに威力を発揮する抗生物質 さて、よく耳にする抗生物質について紹介しよう。 この抗生物質により致命的な感染症も治療できるようになった。 抗生物質として有名なのはペニシリンだろう。 ペニシリンはフレミングによって偶然発見された。 ペニシリンはある種(Penicillium notatum)の真菌(カビ)が自らを 守るために細菌に対して作り出した成分である。 私達はこの真菌(カビ)に助けられたといっても過言では無い。 現在ではこのペニシリンの構造を少し変えた物も、人工的に 作り出しており、基本的には「〜シリン」という名称が付けられている。 なぜ、このペニシリンが一般的に私達人間には致命的な影響を与えることなく、 細菌などに対して効果的に働くのだろうか。 ここで補足しておきたいのは、 人間には致命的な影響を与えないといっても細菌も人間も 元をたどれば同じ祖先を持つ。 そのため、ペニシリンは一部の体質の人はアレルギー。 特に即効型の危険なアナフィラキシー・ショックを引き起こす危険性があるので 注意が必要だ。 このペニシリンは基本的には細菌が動物の細胞よりも植物細胞に似ていることを 利用しており、動物細胞には無い一層外側の細胞壁を破壊する。 その結果、細胞は圧力に耐えられず破裂するのだ。 このペニシリン以外にもストレプトマイシンなど様々な機序で作用する抗生物質がある。 これらはまた異なった方法で細菌に効果を発揮する。 共通しているのは「私達には無く、細菌にはある物をターゲットにしている」ということだ。 先ほど抗生物質はウイルスに対して効かないと書いたが、 ウイルスはこのような構造が無いからである。 しかしながら、風邪を引いた際の抗生物質投与は 細菌による二次感染を防ぐことがある。 そのため、抗生物質投与の有無は医師の判断によるだろう。 引き続き「微生物(続編)」をお楽しみください。 |