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海洋学(続編)


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第六章.植物プランクトン

植物プランクトンは食物連鎖の起点で、 多様な藻類のグループで構成されている。 植物プランクトンが何らかの影響で大量発生(ブルーム)すると、 酸素濃度が低下し、動物が死亡する可能性がある。 また、ある種の植物プランクトンは毒を産生することがある。

第七章.動物プランクトン

動物プランクトンは移動能力があるが、流れに逆らって動くことが出来ない生物の ことであり、小型なものからある種の海月(クラゲ) のように数メートルに及ぶ生物までいる。 ほとんどの種が海洋での最適深度を持っているが、 鉛直運動する種が多い。この理由として 代謝エネルギーの保存や、捕食者から 逃れるためなど様々な仮説が提唱されている。

第八章.流れに逆らえる、ネクトン

ネクトンは流れに逆らえるだけの遊泳能力がある生物のことで、 魚類、ウミヘビ・イグアナ、ウミガメなどのような爬虫類、 クジラ、イルカ、マナティーなどのような哺乳類などの総称である。 また、一度しか目撃されていないステラー海牛などもネクトンであった。 大きいサイズのネクトンは時にかなりの注目を浴びる。 例えば20メートルを超えるダイオウイカなどはその代表だろう。 また、マッコウクジラがダイオウイカを追って実に2200メートルまで 潜水したという公式な記録も実に興味深い。 また、分類学的に、 クジラとイルカは単にサイズの違いということも興味深い点で、 4メートルがその境ということになっている。

COFEE BREAK 〜大航海時代と地図〜

海から連想するイメージの一つとして大航海時代 があり、新境地を目指した冒険心といった 華やかしいイメージもあるが、 長期間の航海では壊血病など様々なトラブルもあった。 人体の結合組織は コラーゲンなどを中心に構成されているが、 壊血病はコラーゲン合成に欠かせないビタミンC の摂取不足によるもので、その結果、コラーゲン合成が阻害され、 出血などを起こす疾病であるが、 当時は原因不明の恐ろしい病気であった。 その後、ライムなど新鮮な果実が必要であることが 分かり、壊血病は減少した。

大航海時代のもう一つのイメージとして古地図 があるが、地図といえば様々な地図投影法も欠かせない。 海図に用いられ、経緯と緯度が直角で交わるメルカトール図法、 面積が正しく現わされるという特徴を持つモルワイデ図法、 航空図に用いられ、方位・距離を正しく示す正距方位図法、 分布図などに用いられるグード図法は有名である。

第九章.底生生物(ベントス)と、底生生物群集

底生生物(ベントス)を観察するには、 網による回収や、スキューバー・ダイビングなどがあるが、 スキューバ・ダイビングで安全に潜ることが出来る一般的な限界は40メートルで、 深さや、時間などによって資格が分けられている。 例えば18メートルまではオープンウォーター、 30メートルまでは、アドヴァンスド・オープンウォーター と呼ばれている。 また、さらに資格を取得すると専用の機材を用いて40メートル以上潜ることも可能である。

潮汐は月と太陽の引力に地球の自転による 遠心力が加わった相互作用で起こるもので、海底の勾配や形状などで も特徴は変わる。 例えばタヒチ海岸のように潮汐がほとんど変わらない場所もあれば、 フォンディ湾のように15メートルに達する場所もあるのだ。

最近、レストランのナプキンなどでケルプという言葉を よく目にするようになったが、ケルプは夏季水温が20℃以下の 海域のコンブや、大型褐藻類の総称である。 また、サンゴ礁はサンゴ虫が沈殿させた炭酸カルシウムの塊で、 オーストラリアのグレートバリアリーフのサンゴ礁が最大で、 延長2000キロメートル、幅145キロメートルに達するから驚きである。 サンゴ礁は18℃以下に耐えられず、熱帯、強い塩分・光が必要であり、 成長が遅いのでサンゴ礁が破壊されると再びその姿を取り戻すには長い年月がかかる。 また、環境保護運動などでマングローブを植える ボランティアなどがよく映し出されるが、それは、 マングローブが塩分に強いという特徴があるためである。 昔から現地の人々はマングローブを家、舟の建設や、 材料などとして利用しており、エビやカニなどの生息場所にもなっている、 また、マングローブは嵐による土砂災害を防ぐ働きもある点も注目すべき点だ。

深海は、技術的な問題から慎重に調査が行われており、 新種の生物の発見も相次いでいる。 当初、生物は存在し得ないだろうと考えられていたが、 近年の研究によってナマコや、硫化水素を共生している細菌を用いて エネルギーを得ているチューブワームなどが発見され、注目を浴びている。 ナマコはいえば観光地の一つであるグアムの海岸では多数目撃することが出来るが、 ナマコは浅瀬から深海に至るまで様々な深さで生息している。

最終章.有害物質と凶悪な微生物

近年、環境保護が注目を浴びる中、 熱帯魚ブームなどの影響で、 一部の業者が海などに大きなダメージを与えてしまう という事件も発生している。 例えば、熱帯魚を捕獲するために、ダイナマイトを爆発させ、 失神して浮いてきた魚を捕獲したり、毒薬が用いられることもある。 また、環境破壊では有害物質をそのまま海に流してしまっている地域も あるだろう。ダイオキシンやPCB(ポリ塩化ビフェニル)などの有害な物質が 海に流れ込むことによって、それらの物質が魚に 蓄積・濃縮し、結局はそれらは私達に返ってくる。 また、生態系が大きく変わり、今まで抑制されていた 凶悪な微生物が牙を向くかもしれないのだ…
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